公立高校の授業進度では難関大現役合格は無理?

このHPに足を運んでくださった皆さんは当然「大学入試」に感心がある方だと思います。 学習塾において15年以上指導してきた我々としては,現行の学習指導要領に準じている殆どの公立高校およびそれと進度を同じくする私立高校の教育カリキュラムでは難関大学現役合格は難しい。と言わざるを得ません。

この言葉を聞いて不快感をお持ちの方もおられるかも知れません。しかし“そう言わざるを得ない”のが大学入試を取り巻く現状です。

入試日から逆算しましょう。国公立大2次試験は2月末です。しかし,1月にセンター試験がありますので11月・12月はセンター対策に学習時間の多くを費やすことになります。センター終了〜2次までは1ヶ月しかありませんから,この期間は「今までの学習を完成させる期間」であり,「実力養成期間」ではありません。
2次試験に対応できる実力はセンター対策が始まる11月までに目鼻をつけておく必要があるのです。

「11月までに」…ここが公立生の大きな弱点になるのです。

文系の場合

高3の4月の段階で入試に必要な数 I・A,II・B の授業は終っており,11月まで半年以上ありますから余裕を持って受験勉強ができると思われるかもしれませんが,それは間違った認識です。

ライバルは誰かを考えてみてください。難関大の合格者の約4割は浪人生であり,現役合格者もその多くは私立中高一貫校生です。ライバルは貴方の1年先を行っているのです。高3次には文系科目の受験勉強が中心になることを踏まえると,彼等と互角に闘うためには,数学については入試本番のほぼ1年前の高3の4月の段階で彼らと同等の学力を身につけていることが必須となるのではないでしょうか?

具体的に言えば,高3の4月の段階で,数 I・A,II・B の全単元の教科書の章末問題程度はスラスラ解けることは当然であり,センター試験や中堅私立大レベルの入試問題なら少なくとも5割以上は解ける。というのが目安になるかと思います。合格最低点に1000点満点中のわずか数点足りずに浪人をやむなくされたライバルも大勢いることを考えると,これでさえ最低ラインになるかもしれません。

塾や予備校で勉強されているならともかく,学校の授業だけで高3の4月にこのレベルに達していることは可能でしょうか?

ほぼすべての公立高校においては,高2で1年次に学習した数 I・A の復習の授業などありません。1度学習が終った単元については,せいぜい夏期や冬期の長期休暇で参考書や問題集を宿題に出す程度です。このようなアフターフォローなしのカリキュラムでは,高3の4月に1,2年次で学習した全単元の教科書の章末問題がスラスラ解けるようになっているほうがおかしいのではないでしょうか?

多くの単元において公式すら忘れているというような状況になっていても当然といえば当然かもしれません。もちろん,その時点で難関大学現役合格の道は閉ざされたことになります。

理系の場合

数 I・A,II・B については文系の方と同じ状況であることに加えて,数 III・C についてはより大きな致命的ともいえる問題があります。

学校授業では,その教科書レベルが終わるのは速い高校で高3の10月頃です。学校進度に従った場合,『11月までに2次試験対策をある程度完成しておく』という理想的な入試対策を行うためには,公立高校生は「わずか数週間で教科書レベルから2次試験レベルまで到達しなければいけない」ということになります。

「教科書レベルと2次レベルの差」については,まだ皆さんは実感できないかと思いますので例で説明しましょう。
我々指導者が教科書レベルの問題を解く際には,「考える」ということは必要ありません。「もう解き飽きた」問題ばかりです。 章末問題であっても解答時間5分以内,解答スペースも5行程度でしょう。 ところが,難関大理系の2次試験になるとそうは行きません。試行錯誤も必要ですし,計算量も半端ではありません。時間にして30分以上,解答スペースはB5の用紙で2ページ以上の問題も珍しくありません。
いかがでしょう? 教科書と2次試験の差の片鱗くらいは感じていただけましたか?

文系も理系も,学校進度に従っていてはまるで間に合わない…となると,公立高生が難関大現役合格を勝ち取るためには,高校1年からの受験対策が必須なのは言うまでもありません。

とは言っても,高1からいきなり志望校の過去問レベルの難しい問題に取り組むことを指すのでありません。
高1には高1の,高2には高2の,そのときにやるべき受験勉強があります。高1〜高2前期は高校内容の徹底と入試基礎問題までの解法を定着させるべきです。「先取り学習および既習単元の復習」が,高1,高2における受験対策となります。