現行指導要綱の問題点 −数学 III・C −
理系の入試数学で最もウエイトが大きいのは言うまでもなく数III です。
通常,公立高校やそれと同様の進度の高校では,数学III・C の教科書内容の授業が終わるのは高3の11月頃です。
大学入試問題は高校の教科書を学習した程度では太刀打ちできません。当然,受験用の学習が必要になります。
学校進度に従った場合,「受験対策」に当てられる期間は私立大学志望の場合は12月と1月の2ヶ月しかありません。
国公立大学の場合はこのペースだと絶望的です。センター試験を1月に控えているため,11月からはセンター対策を重点的にこなす必要があります。ですから高3の11月までには少なくとも2次試験標準レベル対策の1周目を終らせておき,その後センター対策の本格化と並行して2次試験標準レベルの2周目にかかり,センター試験後に完成させる。というのが国公立大志望者の数学III・C の理想的な学習ペースです。
「難関大」志望ならばさらにペースアップが必要です。当然ある程度上級の受験用問題集の内容をマスターしておかねば対処できない問題が出題されます。
そのレベルの問題集の2周目はセンター対策と並行して行うとして,1周目を10月末に終わらせるとすると遅くとも9月には上級の問題集に入っておかなければ間に合いません。
上級の問題集の内容をしっかりマスターするには,当然基礎学力が必要です。
そのためには,数III・C の入試標準レベルの内容ぐらいは高3の8月末までに終わっておかねばならない。ということです。学校進度ではお話になりません。
と認識してください。
もっとも,同じことは旧課程生にも言えたことで,理系にとって数IIIC と理科の先取り学習は避けて通れません。
数学III・C で学習する分量・内容は旧課程とそれほど変化していないのですが,新課程になり数III の先取り学習の負担は大きく増えたと言わざるを得ません。
前項で述べたように,高2で学習する数学II の分量が格段に増えたせいで,旧課程生と新課程生では高3の4月の段階における数II の定着度が違うからです。
数学III では数学II で学習した三角関数,指数・対数関数,それらが合成された関数の微積分を学習します。
数学II の教科書内容は数学III にとって常識であり,常識が身についていないと数学III は教科書内容でさえ理解できません。
もしも数II の基礎知識の定着が不十分であれば,数III の先取り学習をしようにも,数III の前に数II の教科書レベルを復習せねば1歩も前に進めず,「先取り」ができずにタイムアップになってしまいます。新課程になり,実際にそのような生徒さんが増えたと感じています。
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