数学III の速習に必要な数学II の知識

さて,数学III の速習を始める上でいくつかの問題があります。

数学III 微積分の基本問題レベルでつまずく生徒は「数学III は難しいから」と言います。しかし,実は原因は他にあります。基本問題レベルでつまずく原因のほとんどは「数III が難しいから」ではなく「数学II 内容が定着していない」のです。

数III の微積分では,数II で扱った整関数の微積分の発展として三角・指数・対数関数やそれらが組合さった関数の微積分を学びます。

例えば「y=-x3+3x+2 に (-2,4) から引いた接線を求めよ」という数学II の基本問題がスラスラと解ける人にとっては,「y=logex に (0,1) から引いた接線を求めよ」という数III の問題は,logex の微分が出来れば考え方は同じですので,苦もなく解けるはずです。

また別の例として,f(x)=xlogex を微分すると f'(x)=logex+1 になるのですが,この関数が増加する範囲を調べたいときには,f'(x)=logex+1≧0 を解かなければいけません(eは1より大きい定数です)。この対数不等式は数学II の教科書レベルですが,x≧1/e と“一瞬で”解けますか?

方程式 sin x-√3cos x=0 ,不等式 loga x≧-3 を解くことや,
sin2x=(1-cos 2x)/2 の変形などは,数学III にとっては“常識”であるべき内容です。


数学III の学習を始めてみようという方,この問題は全て大丈夫ですか?


数学III は教科書でさえ,これらの内容は『解けて当然』を前提に書かれています。“常識”が身についていなければ,当然数学III の学習に支障をきたします。

しかしながら,現行課程の学習指導要領では,高校2年で学習する数学II ・Bの負担が大きく,学校の授業も駆け足で,教科書内容ですら定着していない理系志望の生徒さんが急増しているという事実があります。もしもこれをお読みの貴方がそうであった場合,数学III を学習するために,数学II 全範囲を復習してから…というのではスタートで出遅れてしまいます。

数III 微積分の学習に必要最小限となる数II 内容を短期間で復習してから数III の速習を始め,それと同時進行で数II のそれ以外(数III であまり必要とならない事項)の復習を進める。というのが現実的な対応であると思います。とはいうものの,数III が未習であるのに,数III では数II の何が必要で何が不必要かという判断なんて出来ません。いかに効率よく数学IIIに必要となる数学II の復習をすればよいのかという問題があります。