教科書は使い物にならない

数学II の基礎力が備わっていれば,数学III の速習に取り掛かることになりますが,私達の提案する数III 速習カリキュラムは,微分積分の計算法の習得から始まります。ところが,この最初のステップにも問題があります。

数学III を独習しようと一念発起して,微分積分の計算法を自分で勉強してみようと教科書を開いてみると,すぐに行き詰まります。
例えば,微分法の最初では,関数の微分可能性や連続性の話が出てきますが,“グラフが滑らかならば微分できる”というただそれだけのことを,抽象的な関数 f(x) の数式で表現しているものですから,読んでいる者は,何がいいたいのかチンプンカンプンになってしまいます。

いろいろな微分・積分の計算公式も同様に,一般の関数 f(x) で成立することの理論的な説明が中心で,xsin2x などの具体的な関数の微分積分計算の仕方については,説明不足もいいところです。

本来皆さんが数学を学習するメイン教材であるはずの教科書ですが,この本は一般的な理論の説明をすることこそがその役割なのです。一般の公式・定理が成り立つ理由を説明すれば役目終了であり,具体的な個々の問題については付け足し程度でも構わないわけです。

しかし,皆さんの目的は具体的な個々の関数の微分積分計算方法を修得することです。一般的な理論よりも具体的な方法が知りたいところですね。そもそも,教科書は大学入試は全く念頭におかずに書かれたものであり,入試の基本問題でさえ網羅出来ていないということは,数IA・IIBを学習してきて十分におわかりのことと思います。

数学III の基本問題レベルでつまずく原因のほとんどは「数III が難しいから」ではなく「数学II 内容が定着していない」か「微積分計算が出来ないから」なのですが,このような教科書で勉強していては,入試に必要な微分積分計算法を完全にマスターすることは凡人には不可能であると思います。